和らぎの家では、みなさんと一緒に、お昼ご飯を作ります。
二年半前に、和らぎの家をスタートした時に、介護スタッフにお昼ご飯を利用者さんと作って欲しいとお願いすると、
怪我は、大丈夫か？
自宅で出来ないことが、和らぎの家で出来るのだろうか？
家でも料理をしたら、危ないんじゃないか？
と、不安の声が上がりました。
今では、当たり前に利用者さんにお仕事をお願いしてくれているスタッフに感謝しています。
一緒に作業をしていただくのには、たくさんの理由があります。
目で見て、手で触れて、香りを感じたら、唾液が分泌されてお腹が空きます。
昔を思い出して、記憶の引き出しが開いたりもします。
料理の時の腕の動きや、台所での立ち仕事では、普段使わない筋肉も使い、いつの間にか体の動きがスムーズになったりもします。
そして、何をするにも一番大切なのは、私たちスタッフの心のあり方だと感じています。
そもそも、介護施設に来たくてきたくて来ている人なんていません。
みなさん、来てくださっていて、
手伝ってくださっていて、
私たち職員に付き合ってくださっていることを、忘れてはいけないと思っています。
職員の気持ちや口調が、その場の空気を作り出していきます。
目の前の認知症の方が、落ち着かない日は、周りの空気が落ち着かない日です。
一人で背負うことはなく、介護はチームワークです。
その日、一日が終わった時に
『やらなければならないこと』に追われた一日だと、感じるのか、
『やるべきこと』がやれた一日だと、感じるのかが、
みなさんの人生が、少しでも良くなるお手伝いが出来るかに繋がるのだと思います。
お年寄りの「生きるチカラ」に寄り添っていける仕事がしたい、生き方がしたいと思いながら、
明日も、佳い一日にしたいと思います。
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